今日の一曲

テクノポップ~渋谷系~シティ・ポップあたりが守備範囲です。

2012年11月


イントロのコード進行しか関連がないんだけど、「グッド・ラック」を聴くと、やっぱりこの曲まで連想してしまう。コーネリアスの1st「ファースト・クエスチョン・アワード」に収録。自分は難解な音楽は苦手で、基本的にファーストまでしか理解できていない。ここまでの音楽と、それ以降の音楽は別物ぐらいの違いはある。分類的には渋谷系なんだけど、この曲に限ってはキーボードの使い方など、シティポップ的要素が散りばめられている。サビまで淡泊に歌うとか、「だろう」の歌詞とか、小山田節炸裂な一曲。


グッド・ラックの翌年、1979年に発売されたデビューシングル。母親がジャズシンガーで、ジャズスポットに出入りしていたところを世良譲に見出され、この曲でデビューした。グッド・ラックのイントロと聞き比べてもらうと、なぜこの曲を連想したかは分かってもらえるかと思う。ローズピアノもいい。タイプは違うが、彼女もビブラートが特徴的。かなり大きく口を開けて歌うタイプで、相当な下支えができていないと不可能な、実力に裏打ちされた歌い方をする。44歳で子宮頸癌のため逝去。


1978年に発売された、野口五郎の28枚目のシングル。この曲で紅白にも出場している。自分の中ではこれは歌謡曲ではなく、シティポップのジャンル分け。作曲が筒美京平なのだが、ひたすらグルーヴィー。歌番組では、意図的にテンポを上げたバージョンを披露することがある。イントロのギター、ストリングス、下支えのベースラインが一体となった世界を作っていて、30年以上前の曲なのに、全く古さを感じさせない。この曲から自分は2つの曲を数珠つなぎに思い出すので、その曲を明日・明後日と紹介したい。


彼を形容する言葉は色々ある。ラブ・タンバリンズのキーボードであり、土岐麻子(元Cymbals)の元旦那であり、安藤裕子に楽曲提供をしたり…など。自分の場合は、安藤裕子の「水色の調べ」の作曲者として彼の名前を知り、のちにそれが(当時の)土岐麻子の旦那と同一人物だったということを知った。渋谷系とシティ・ポップをつなげてくれる存在として非常に重要な人物であると思う。プロデューサーやアレンジャーとしての活躍が華々しいが、彼自身の名義で曲も出している。重層的な独特の声が持ち味で、ウィスパーボイス的なのに深みも持っている。週末感バッチリのグッドチューン。


名前は「ひやじょう・あつこ」と読む。現在は沖縄に拠点を置いて活動している。この曲はFM802のパワープレイにもなった。南国生まれらしいエキゾチックな歌声と、洗練された音作りが大人のポップスを感じさせる。個人的に好きなのは、サビの部分のコード進行。シティ・ポップの特徴を明確に示しているところがいい。当然のように他のシティ・ポップアーティストとも融合性が高く、流線形などともコラボしている。


デビュー曲の「BLUE」が、当時、全国のコミュニティFMのパワープレイになっていた。広島と吉祥寺のタワレコで店員をしていたというVo.の田岡美樹の素直な歌声と透明感、そして洋楽のエッセンスを嫌みなく取り込んだ楽曲のクオリティが特徴のthe indigo。秋から冬にかけて聴きたくなる定番曲。全体的に一曲が長くなくシンプルなのがいい。


韓国のインディーズから、シンガーソングライターmorrieを紹介。K-POPはダンス物ばかりではないことを教えてくれる一曲。一番の魅力は甘くガーリーなウィスパーボイス。「one fine day」は三拍子の曲でもあるので、彼女の雰囲気とハッピー感が前面に出ていると思う。アルバムの歌詞は全曲英語。韓国と教えられなければ、渋谷系やガールポップを愛好する人ならすんなり耳に入ってくるのではないかと思う。


レゲエ寄りながらポップな曲調と、浮遊感のある蔡忠浩のボーカルが特徴的なbonobos(ボノボ)。デビューアルバムの「hover hover」より。フィッシュマンズのステージにも立ったことがあるようで、蔡の歌声の特徴も相まって、フィッシュマンズと比較されることが多い。個人的には、フィッシュマンズよりももう少しポップで、間口も広く、幅もある程度広いと思う。秋が深まって冬になる時期というのは、寂しさだけでなくある種の高揚感みたいなものを感じるのだが、それをうまく表現している曲かなとも思う。


1972年だから、今から40年前の話。僕らがフリッパーズ・ギターで衝撃を受けたさらにずっと前に、こんな才能がいたことに正直驚く。picoこと樋口康雄。幼少から音楽に親しめる環境にいた絶対音感の持ち主で、現在は付随音楽などの作曲家として、映画やテレビのテーマ曲などの仕事が多いそうだ。ピアノでイントロの旋律を弾く一節があって、そこからどんどん世界が広がっていく。コーラスと作詞は石川セリ(井上陽水の妻)によるもの。作品はCMソングなど多岐に渡っている。


初夏にリリースされたアルバムに収録された曲だけど、空気が爽やかになる今の時期に聴きたくなる曲。映像とバンドパフォーマンスを組み合わせたライブが特徴的な彼ら。割と正統的な渋谷系フォロワーだと思う。トラックメイカーでもあるイマイケンタロウのルックスがオザケンを彷彿とさせる。渋谷系とテクノポップの橋渡しのようなサウンドが特徴的。ゲームサウンドでおなじみのYMCKとか、Plus-tech Squeeze Boxといったところとも組んでいる。

このページのトップヘ